2018年12月

足の血流評価は　大事です。

その他の足の皮膚病, 爪の病気

久しぶりに　フットケア関係の　ブログ更新です。

当院では　限られた時間の中で　鶏眼（魚の目のこと）、胼胝（たこのこと）、爪の処置を行っております。
その際　一番気をつけているといっても過言ではないことは　処置部位の血行状態の把握であります。

高齢化に伴う血管の老化、糖尿病や高脂質血症や動脈疾患による血管梗塞、膠原病などに伴う血管損傷などをお持ちの方は　処置対応を誤ると　壊疽という　足が腐ってしまうことを誘発しかねません。

今までは　当院では　病歴と足背動脈と後頸骨動脈の脈を触知することでしか　判断が難しかったのですが　簡便でかつスペースをとらないサーモグラフィーを導入することにしました。（うちみたいな小規模クリニックではこれが限界）

そして　早速　一例　撮ってみました。
爪と魚の目でお困りの８０歳代女性。

足背動脈は　微弱ですが　触知できました。　皮膚の色も悪くありませんでした。特に基礎疾患もない方でしたので、今までなら
このまま普通に　処置していました。

ただ　サーモグラフィーで観察しますと

温度分布に左右差があり　右足の方が優位に皮膚温が低下していました。このデータを参照に　右足は傷を付けやすい刃物での処置は控えることにしました。事前にリスクがわかると　患者さんも助かりますよね。

そして　今度は　爪白癬の治療のため　レーザリネイル

を受けている　50代女性の方です

処置前の写真です。指先の温度低下が著明なのがわかりますでしょうか？

処置終了後５分ぐらい経過しますと、

レーザリネイルは　指先しかﾚｰｻﾞｰを打たないのですが、そこを超えて足全体の血行を改善しているのが目に見えてわかりますよね。
レーザリネイルは爪疾患のみならず　他の用途もあるのではないかと考えさせられた　画像でした。

サーモグラフィーは保険は通りますが、今のところ、各種膠原病、フットケアや足の手術前で高齢の方と足背動脈の触知が難しい方に限らせて　施行させていただいております。

もし重篤な異常を認めれば　即座に　血管外科ならびに循環器内科さんと　連携しないといけません。

さらに　安全　安心のフットケアを　行える一助に　なればと　思います。

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