確率の話を読んでみて、診断の正答率を考察してみた。
- 2019.01.20
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いつもお世話になっております。今回は 医療ネタわずかな投稿です。
先日 眠れなくなるほど面白い確率の話という本を購入し 読ませていただきました。
高校生の頃は 確率を考えるのは好きな分野でしたので 書いてある内容は理解できました。
その中で 研修医時代に聞いた 教授の話を思い出しました。
皮膚科は2年の研修で概ね90%ぐらいの疾患の診断はつく、5年以上普通に研修した専門医であれば95%ぐらいの診断は可能になる。ただ95%以上の診断正答率は、その人の才覚と努力に依存する。世間一般に名医と言われる人でも98%ぐらいじゃないかなということでした。
これを 確率論的に考えますと うちのような普通の専門医ですと 1日10人 新しい病気の患者さんがくるとして 1日全く診断を間違えない確率は 100×(1-(0.95の10乗))≒40(%)ということになります。
加えて週に5日診療していますので、1週間に全く誤診をしない確率は 100×0.4の5乗≒1(%)しかないということで、ほぼ1週間に1回以上は間違った診断をしていることになります。怖い話ですが これが現実なのだと 痛感した本でした。
同じ計算を名医で行っても、1日で全く間違えない確率は18%、1週間に全く間違えない確率は37%となります。
たまに、患者さんが、その医院さんでの診断治療がうまくいかなかったことを、医師医院を否定する言葉で伝えてくる場合がございます。気持ちは理解しますが、その患者さんにとっては、あまり得にはなりません。それはこちらも同じことを言われる可能性があることを知っているからです。知らない人が自分の知人の悪口を言っているのを聞くのはいい気持にはなりませんよね。特に前医が専門医である場合には95%診断があっている可能性があるのです。ただ 故あって転医される場合には、その前医でうまくいかなかったその5%を埋めるために、受けた診断内容、投薬内容の情報をいただけると診断の精度は増しますので、陰口たたくより有効です。必ずそちらは伝えてくださいね。
というわけで 結局 お願いに終わってしまった投稿でした。
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